「ジハンキーのひみつ」誕生

2022-09-14

ジハンキに指令を送る

K3Tunnelでは初めてとなる小学校低学年向けの教材を開発しました。開発のきっかけから、教材になるまでをご紹介します。

きっかけは、現場の先生からのリクエスト

K3Tunnelでは、小学校でのプログラミング授業やプログラミング体験ワークショップで利用できるようなミッションを公開しています。そのミッションを使って小中学校での出張授業や教員向けセミナーなどを少しずつ展開しています。その中で、たびたび「低学年向けはないのか」と、単なるギモンよりは少しだけ期待感を含んだニュアンスで、ご質問をいただいておりました。

しかし、K3Tunnelの学習コンテンツは、プログラミング「で」学ぶをコンセプトにしており、ツールとしてもグラフ出力を強みにしています。一方、グラフを習うのは小学3年生。がんばっても小3以上ではないでしょうか。というのが、私たちのスタンスでした。

そんな中、何度か開催させていただいたオンライン教員セミナーのとある回にて、参加してくださった小学校の先生と

  • 低学年から高学年まで一貫して使えると便利。
  • 先生も児童も、去年もやったアレ。ってなる。
  • K3Tunnelの授業で使うワークシートを保存しておく紙ファイルを用意して、毎年、プリントが増えていくとか楽しいですよね!
  • うわー楽しそうですね!そうなったら、うれしいですねー。

というような話で盛り上がりました。 その先生にとっては、その場のノリで楽しく思いつくままに話してくださっただけかもしれませんが、私たちにとっては力強い心の支えとなりました。そして、その後、他の方からも「ぜひ低学年向けを」とのリクエストをいただいたこともあり、低学年の授業用コンテンツを開発することを正式決定しました。

テーマを探す

低学年の授業用教材をつくるにあたって、まっさきに頭に浮かんだのは、コンピュータを使わない「アンプラグドプログラミング」と、K3Tunnelを使った「プログラミング」をつなげた授業にしたいということでした。そのことを前提に置いてテーマ選定を開始。ケイサントンネルを名乗るからには、計算せねば。ということで、まずは、1,2年生算数の教科書やさまざまな指導案に目を通すところから始めました。低学年の学びの深さに感動しつつ、いくつか候補をあげ、現場の先生方のご意見もうかがいながら検討を進め、最終的には、小学校2年生を対象にした「自動販売機のおつり計算」をテーマにすることに落ち着きました。

自動販売機は計算のネタの宝庫であり、プログラミング学習のネタの宝庫でもあります。各学年の算数・数学の学びに応じた「自動販売機」シリーズを作れるのではないかという野望を秘めつつの開発スタートです。

開発する

本格的な開発を前に、NPO法人 企業教育研究会に協力を依頼し、監修していただくことにしました。2022年4月から、2週間に1回のディスカッションを重ね、試行錯誤を繰り返し、それらしきものができあがったのが、5月末。

大きな授業の流れ(45分×2コマ)としては以下のようにしました。

1コマ目は、場面設定とアンプラグドプログラミングです。

  • 自動販売機に100円玉2枚をいれて、130円のジュースを買うという場面を設定
  • 「おつりに10円玉を7枚だす」計算ができるように「自動販売機に指令を出す」ことを授業のテーマとして提示
  • 自動販売機役と指令役に分かれてアンプラグドプログラミングのやり方を練習
  • おつり計算のしかたを確認して、おつり計算の「指令書」を作成
  • 自動販売機役と指令役に分かれて、実際のおつり計算をアンプラグドプログラミング

2コマ目は、K3Tunnelの画面を使ったプログラミングです。

  • K3Tunnelの専用プログラミング画面を使用
  • 操作練習をかねて、指令書の「指令」の内容とブロックの関係を確認
  • 指令書の内容をブロックプログラミング

「これはちょっと難しすぎるのでは」という要素が盛りだくさんな状態でしたが、小学校2年生のお子さまを持つ社員に協力を依頼し、Web会議の画面越しに親子で取り組んでいただきました。個性豊かな子どもたち5名に協力していただいた結果、「やっぱり難しかったね。チャレンジしてくれてありがとう」なこともあれば「難しいかと思ったことをラクラクこなす」ことも多いということが確認できました。「やっぱり難しかったね」というところの手立てを講じ、マンツーマンであれば一定の手ごたえは感じられたものの、30名近くが一斉に取り組む授業でやったらどうなるか、やってみないとわからないという状態でした。

そんな中、そのような状態であることをご認識の上で、検証授業に協力してくださったのが、船橋市立船橋小学校の2年生のみなさまです。検証授業の様子を次の記事で紹介していきます。

※「ジハンキーのひみつ」はこちら。本ミッションは、成長途中のコンテンツのため、本記事で紹介している開発初期のものとは、一部内容が異なります。