※撮影場所:真庭市くらしの循環センター
「めざせ!カーボンニュートラル!」真庭市版の出張授業を2025/11/21(金)に岡山県真庭市立落合小学校6年生のクラスで実施しました。カスタマイズ開発にあたって、真庭市役所地域エネルギー政策課様、真庭市立落合小学校様と検討会議を重ねてきました。カスタマイズ内容と、子どもたちの様子を紹介します。
めざせ!カーボンニュートラル!とは
CO₂排出量シミュレーターのプログラミング「で」カーボンニュートラルを学ぶ授業用のコンテンツです。90分から120分の授業で使うことを前提に授業進行スライドやワークシートもあわせてこちらのページで公開しています。
授業前半で、カーボンニュートラルの基礎知識、シミュレーターをつくるために必要な計算方法などを学び、授業後半で、シミュレーターをプログラミングし、つくったシミュレーターを使って、どのようなアクションをすればカーボンニュートラルを実現できるか100点を目指してゲーム感覚で考えるという内容です。
全国版をベースに地域の特色を反映した自治体カスタマイズ版を開発できるような仕組みになっており、今回は、真庭市版を開発しました。
真庭市版開発の背景とカスタマイズ内容
真庭市は、脱炭素先行地域(2022年選定)で、バイオマス発電やバイオ液肥などが全国的に注目されています。こうした地域の取り組みを教材に組み込み、子どもたちが「自分たちの暮らしと地域の未来」を結びつけて考えられるよう工夫しました。具体的には、以下のようなカスタマイズをしています。
子どもたちが親近感を持てるマップに
CO₂排出量シミュレーターをプログラミングする画面は以下のようになっており、左側でプログラミングすると、右側に計算結果が表示されます。右側に表示されているマップは、自治体ごとにカスタマイズしています。
真庭市らしい要素として以下を配置しました。
このマップは、ワークシートにも印刷されています。授業を実施した落合小学校の児童たちは、マップが真庭市であることに気づくと「グリーナブルだ!」「醍醐桜だ~」と楽しそうに話していました。
エネルギーの地産地消による循環~木を使い切るまち~
真庭市は、8割が森林におおわれており、森林のうち6割は人工林(うち7割がヒノキ)です。林業が盛んで、平成27年に稼働した真庭バイオマス発電所を中心に、持続可能な木材産業構造の構築を目指しています。参考資料:地域の資源を活用した真庭市版・脱炭素化の取り組み
そこで、間伐してバイオマス発電の燃料として買い取ってもらうアクションを追加し、植林やごみ拾いなどの環境保全活動への参加による効果をヒノキを想定したものに変更しました。
生ごみ等資源の循環利用
真庭市には真庭市くらしの循環センターがあり、以下のような循環を実現しています。
- 家庭や事業所から出る生ごみ、し尿、浄化槽汚泥を真庭市くらしの循環センターで回収
- メタン発酵槽でバイオガスを発生させ貯留装置へ
- バイオガス発電でつくった電気、温水を施設内利用
- メタン発酵時に生成されるメタン発酵消化液を濃縮し、バイオ液肥、濃縮バイオ液肥として農地へ還元
- バイオ液肥を使った農地で栽培されたコメや野菜を販売し家庭や事業所で消費
- 1.へ戻る
バイオ液肥の農地利用まで含めた生ごみ等資源の循環を実現させている自治体は、全国的にも少なく、真庭市の大きな特徴となっています。そこで、真庭市独自のアクションとして
- 生ごみから作るバイオ液肥の活用
を追加しました。
また、生ごみの循環には、家庭から出すときの分別、水切りが重要であることから、全国版から以下のアクションを採用しています。
- 分別や繰り返し利用できる製品を活用してごみを少なくする
- 生ごみは水切りをして腐敗しにくくする
その他アクションの選定方針
真庭市内での実施状況などを鑑みて
- 地産地消食品の利用や食品ロスを減らす
- 自転車や公共交通利用を促す
- 暮らしや仕事の省エネ化
- 節電・節水、適切な空調利用
などを考慮したアクションを重点的に採用しています。
授業の様子
事前学習で関心度アップ
落合小学校では、カーボンニュートラルについて1時間の事前学習をしてくださいました。 最初は「カーボンニュートラルってCMで聞いたことあるけど意味はわからない」という声も聞こえたそうです。そこから調べ学習を進めて理解を深めた上で最後に「CO₂排出量を減らすために色々なアクションがあることはわかったけど、自分たちがやったら、それでどれくらい減るかわかるかな?」という問いを投げかけ「実は今度プログラミングでね…」という流れをつくってくださったそうです。
積極的に授業に取り組む子どもたち
「めざせ!カーボンニュートラル!」の授業がはじまると、導入のアニメーションから集中して取り組み、最後のシミュレーションも苦戦しながらも楽しんで取り組んでいました。
授業後には、休み時間に「続きやりたい!」とシミュレーションに取り組む子どもたちの姿もみられ、シミュレーターで100点を取った子を囲んで「どうやったの?」と教え合う場面が生まれ、学びが広がっていたとのことです。
探究活動へのフックとして
冬休みには「おうちの人と話してみよう」ワークシートを宿題にして、1月から探究活動をさらに進める計画とのことです。どんな探究につながるのか、とても楽しみです。
子どもたちの声
授業後のアンケートから、いくつか子どもたちの声を紹介します。
やってみたい行動
アンケートでは、以下のような行動をやってみたいと書いてくれました(自由記述)。
- 水の出しっぱなしをやめる
- こまめに電気を消す
- 食品ロスをなくす
- ストーブをすぐ「つけて」と言わず少し我慢する
- ゲームをする時間をできるだけ短くする
- 自転車や徒歩で通学する
- 入浴は時間をあけずにする
自分たちの身近な行動にひきつけて考えてくれていることがわかります。
授業の感想
- とても楽しかった。コンピューターやプログラミングを楽しく学ぶことができた。
- 今の真庭市をしれたから嬉しかったです
- 授業で、自分たちでもできる取り組みがあったのでこれから学校や家で取り組んでみたいとおもった。
- とても内容が面白くて、プログラミングに夢中で家でもやっていたら1時間経っていました。このことでCO₂を減らす活動をしたいと思いました。
- カーボンニュートラルはこういう行動なんだとわかり、大人になっても続けたいと思いました。
楽しみながら学び、カーボンニュートラルに向けた行動への意欲を高めてくれていることが伺えて、とてもうれしく思います。
まとめ
地域の実践と子どもたちの学びをつなぐ今回の授業は、カーボンニュートラルを「自分ごと」にする第一歩となりました。小さな行動が未来を変える、その実感を子どもたちが持てたことが最大の成果です。 落合小学校のみなさん、ありがとうございました!
